淡路島はなぜ御食国なのか
平成22年 11月5日(金) 場所:四州園なぎさ
時間:10:00~14:00
主催:淡路文化会館
淡路島は古代、食材を朝廷へ献上していた地であり、御食国(みけつくに)と呼ばれていた。
御食国についての講演と、体験で古代食を堪能していただく内容です。
2年前の様子:
蘇(そ)とは?
~御食国(みけつくに)~ 朝廷へ食材を献上していた地域の事を言い、淡路島・志摩・若狭がそれにあたります。
『万葉集』に御食国として詠われている淡路島は、魚、塩、米、獣肉、
蘇(そ)などを献上したとされています。
この、淡路県民局淡路文化会館「いざなぎ学園」公開講座では、
『
淡路島はなぜ御食国なのか』と題して、
『
万葉のこころ~みけつ國 淡路~』について
黒川行信 先生が、
『
古代食の再現から御食国を味わう』について
岡本稔 先生が、
それぞれ講演して下さりました。
続いて、ご昼食に体験として、
古代食の試食をしていただきました。
何度も打ち合わせをし、
前回よりもよりリアルに再現できたかと思います。
御食国の食膳 ①赤米 古代稲の赤米を炊飯したもの
②羹(あつもの) 現在の吸物 にら 塩 昆布出汁
③鱠(なます) 現在の刺身 柚子酢でしめた鯛 山葵
④鮑(あわび) やわらかく蒸した鮑 長寿不老の薬とされた
⑤鮎焼き物 古代から賞味された魚 醤(ひしお)を添えて
⑥猪のくしろ 猪肉を串にさした焼肉 塩味で
⑦唐菓子(からがし) 小麦粉 胡麻油
⑧心太(こころぶと) ところてん 柚子酢で
⑨菓子 干し柿 枝豆 古代の菓子は木の実などの自然菓子
⑩香の物 軽く塩漬けした胡瓜と大根
⑪蘇(そ) 牛乳を長時間煮詰めた物 宮廷貴人の栄養食品 健康と美容の医薬品
⑫茶 団茶(だんちゃ) 奈良時代に中国より伝来
調味料 醤 塩 柚子酢 たまり醤油
平成22年11月5日
四州園なぎさ料理部
今回の古代食は、当時としては豪華版だそうです。
アワビだけでも価値ありますね。
料理について先生の説明を聞きながらお召し上がりになり、とても勉強になったと思います。
皆様、古代人になった気持ちで、御食国の宝庫である海を見ながらご堪能いただきました。
絶景自慢の宴会場にて
また、今回は特別展示で
兵庫県立考古博物館 より、
本当の古代食器を見せて下さりました。
古墳から出土された物で、普通は博物館でしか見れない貴重な器です。
テーマの『
淡路島はなぜ御食国なのか』ですが、
地理的に王権に近く、淡路の海人と深い関係を持ったこと、海の幸が豊富で、温暖な気候で環境が良く山の幸も豊富だったこと、海人や農民の生産力や労働力を得ることができた、などの理由が考えられるようです。
この様な豊かで歴史ある地で生まれ育ったことを誇りに思えると同時に、少しでも良さを知っていただけるように当館から情報発信できればと考えております。
次回があれば、是非ご参加下さいませ。

淡路島には、こんな貴重な遺跡があります。
平成21年、淡路市で発見された『
五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡』で、弥生時代の
鍛冶工房としては国内最大級です。
当時の最新技術で鉄製品を生産していたとなれば、教科書の中身が変わる大発見かも知れません。
期間中、
北淡震災記念公園にて石器や鉄器、土器などの貴重な出土品をご覧いただけます。
主催:兵庫県立考古博物館・淡路市・淡路市教育委員会
詳しくは
兵庫県立考古博物館HP
こちらもどうぞ
場所:兵庫県加古郡 兵庫県立考古博物館
詳しくは
兵庫県立考古博物館HP